61: ◆GO.FUkF2N6[sage saga]
2018/12/23(日) 20:59:13.45 ID:l63Jdi8N0
「ただ、悩んでることがあってな。あのディレクター、どうも仁奈のこと気に入ったみたいでな。この子の宣伝をするために
生放送中に視聴者にインパクトを与えられるような時間をとりたいと言ってくれてる」
「へぇ、いいじゃんいいじゃん。ゴールデンで特別扱いって。それのなにが問題なわけ?」
「……サプライズの内容はこちらで考えろ、だってさ」
そりゃまた無責任というかてきとーというか。
「どんなサプライズを考えてるのかにゃ」
「それを聞くためにお前たちを呼んだんだよ。なにかアイディアはあるか?」
いやいや、それをあたしたちに聞くのはどーなのかな、プロデューサーとして。
だけどせっかくのアピールチャンス、これを活かさない手はない。
ふむ。
「仁奈ちゃん動物好きだし、動物ふれあいコーナーとかはどーかな?」
プロデューサーは苦い顔で首を振る。
「それは俺も思いついて先方に言ったよ。でも動物アレルギーを持っている子が出演者の中にいるから難しいんだと」
むむむ。だめかー。
仁奈ちゃんのしてほしそうなこと。仁奈ちゃんが望んでいること。
最近さぼり気味な頭を回転させる。
ぐるん、ぐるんぐるん、ぐるんぐるんぐるん。
カチッ。
思いついた。
あたしらしくない、べたべたで手垢まみれのチープな解。
だけど、仁奈ちゃんにとってなによりも大切に想っていること。
「……」
唾を飲み込んでから、それを言った。
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