35: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2018/11/14(水) 20:35:02.91 ID:Nn2yIfhz0
「それでしたら、お相手の好みのものを選ぶしかありませんね」
「そど子の好みと言われてもな。あいつは風紀委員が趣味みたいなものだ。好物もあるにはあるが、即物的なものを渡すのは少し違う気がする」
36: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2018/11/14(水) 20:37:29.55 ID:Nn2yIfhz0
「そど子先輩って言ったらあれだよね! 遅刻の取り締まり!」
「ですねっ! あ、そういえばもう風紀委員長は引退されてるはずなのに、未だに取り締まりを続けられてるのは、やっぱり趣味だからですかね?」
37: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2018/11/14(水) 20:39:01.59 ID:Nn2yIfhz0
「……ぉお」
頭の中が、裏返ったような気がした。
38: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2018/11/14(水) 20:40:32.28 ID:Nn2yIfhz0
そど子への餞別は決まった。
これで、あいつはすっきりとした顔で、晴れ晴れしく大洗を去ることができるだろうか。
39: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2018/11/14(水) 20:41:22.08 ID:Nn2yIfhz0
「冷泉さんっ! これで連続遅刻記録59日目よっ!」
そう言って喚くそど子の頬を、人差し指で突く。
40: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2018/11/14(水) 20:42:52.54 ID:Nn2yIfhz0
卒業式が明日に迫った、学校帰りの夜道。
明日を素晴らしい一日にしようと意気込む沙織は、私の顔を見て言った。
「麻子。明日は、前みたいにみんなで起こしに行こうか?」
41: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2018/11/14(水) 20:44:46.42 ID:Nn2yIfhz0
家に着いて早々、湯船に温めの湯をはる。
明日の準備をした後で、体を沈め、一日の疲れが抜け落ちてゆくのを感じる。
服を着て、歯を磨いて、すぐさま布団の中へ。
42: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2018/11/14(水) 20:47:25.55 ID:Nn2yIfhz0
木陰で眠る私の頬をつつくのは、おかっぱ頭の上級生だった。
一体どうすれば冷泉さんに、学生らしい風紀に則った生活習慣を身につけさせることができるのかしら。
43: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2018/11/14(水) 20:49:22.93 ID:Nn2yIfhz0
――――じり、りりりりりりりりりりりりりり。
「……ぅ……」
44: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2018/11/14(水) 20:50:56.60 ID:Nn2yIfhz0
そのままの勢いで立ち上がり、ふらつく体を支え風呂場へと向かう。
ざあざあと熱いシャワーを全身に浴び、制服へ着替えると、覚醒しない頭をどうにか使って湯を沸かす。
そして部屋中で鳴り響いていた目覚まし時計を一つ一つ止め、湯で茶を煎れた。
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