10: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2018/11/14(水) 19:32:50.54 ID:Nn2yIfhz0
「金春さん」
「んー? あれ、どうしたの?」
11: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2018/11/14(水) 19:34:43.15 ID:Nn2yIfhz0
「何をしてるんだ」
「風紀委員のみんなに指示を出してるの。ゴモヨ、風紀委員長だからね」
12: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2018/11/14(水) 19:38:57.35 ID:Nn2yIfhz0
生徒会室へ向かう道中。
「金春さん。少し訊きたいことがある」
13: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2018/11/14(水) 19:40:22.67 ID:Nn2yIfhz0
「しかし、あまり卒業する様子を見せないだろう」
「そうかな? きちんと引き継ぎとかしてくれてるよ」
14: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2018/11/14(水) 19:42:07.91 ID:Nn2yIfhz0
確かに言われてみれば、そど子が後輩教育に勤しむ姿はありありと思い浮かんだ。
引退する自覚がないのではないかと邪推してしまって、若干の申し訳なさを抱くが――、
15: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2018/11/14(水) 19:45:01.54 ID:Nn2yIfhz0
「冷泉さんっ! これで連続遅刻記録58日目よっ! まったく、毎日きまって遅刻する生徒なんて貴女くらいなんだから!」
「そど子……」
16: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2018/11/14(水) 19:47:22.87 ID:Nn2yIfhz0
「そど子、どうしてここにいるんだ」
とりあえず脳裏に浮かんだ言葉をそのまま口にしてみる。
昨日からずっと考えていたことだ。
17: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2018/11/14(水) 19:50:16.46 ID:Nn2yIfhz0
「……そど子に説教されたら遅刻しなくなるものなのか」
失言だったらしく、私の言葉にそど子は「はあっ!?」と、より一層、語気を強めた。
18: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2018/11/14(水) 19:52:12.08 ID:Nn2yIfhz0
そど子は私が通り過ぎると校門の扉を閉めた。
その様子は、まるで私を待っていたかのようだった。
ふらふらとした体を泥のように引きずり校舎の中へ。
ホームルームの終了した教室へと入り、机へ倒れ込む。
19: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2018/11/14(水) 19:57:30.18 ID:Nn2yIfhz0
そど子が私を待つ理由については察しがついた。
お互い、腐れ縁だということは承知している。
そんな腐れ縁の片割れが、この期に及んで(遅刻や欠席を帳消しにしてもらっておいて)遅刻を繰り返している現状を憂いているのだろう。
20: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2018/11/14(水) 19:58:34.56 ID:Nn2yIfhz0
そど子は卒業を自覚していた。
わかっていないのは、私だけだった。
そうやって気付いてしまうと、自分の中にぽうっと変わるものを感じた。
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