20:名無しNIPPER
2018/08/16(木) 23:44:32.42 ID:jOKdSO7D0
ルビィ「………………」
ぎゅっと目を瞑ったルビィが、静寂の夜の街に向けて念を込める。
21:名無しNIPPER
2018/08/16(木) 23:45:44.12 ID:jOKdSO7D0
その光景を見届け、私、黒澤ダイヤも目を瞑り、念を込め、頭の中をクリアにする
右の手甲に血筋が浮かぶほど力を込め、目を見開く。頭の中を駆け巡る算段によって力を振るう加減、範囲を制御する
22:名無しNIPPER
2018/08/16(木) 23:46:29.04 ID:jOKdSO7D0
ダイヤ「……帰るわよ、夕食の支度をしないと」
ルビィ「はぁ…はぁ……」
ダイヤ「……ルビィ…?」
23:名無しNIPPER
2018/08/16(木) 23:48:10.15 ID:jOKdSO7D0
黒澤家 台所
ダイヤ「…………」トントントン
24:名無しNIPPER
2018/08/16(木) 23:48:49.44 ID:jOKdSO7D0
ルビィ「いただきます!」
ダイヤ「…頂きます」
ルビィ「んむんむ……うん、おいしいよお姉ちゃん!」
25:名無しNIPPER
2018/08/16(木) 23:49:30.29 ID:jOKdSO7D0
私達姉妹の役目を一言で言い表すと『現世にて死んだり、弱ることにより、彷徨える者の魂を介錯する』になります
者、と言いましたが特に人間に限定する訳ではありません、この世界の生き物は動物、植物、果てには神まで…万物万象に魂が宿っています。そして、魂の入れ物である肉体が死した後、その魂は天へと昇ります
しかし、時に、死んだり、弱ったまま生き長らえ、現世へと恨みを抱いたまま長々と留まり、悪霊へと姿を変えてしまう魂もあります
26:名無しNIPPER
2018/08/16(木) 23:50:34.50 ID:jOKdSO7D0
『神』と大層な名を授かっていますがその力、いわゆる“神としての権能”というやつは実にささやかで、微々たるものです
魂のカタチが見えること、それに触れ、動かし、破壊する力を持つこと、ただそれだけです
空を飛ぶことが出来たり、ましてや不老不死の肉体をもっていたりすることは、ありません、神の名を関していても肉体は脆弱な部類です
27:名無しNIPPER
2018/08/16(木) 23:51:24.11 ID:jOKdSO7D0
先程行っていたのも、私達に割り当てられた役目でした
最近は毎日ですが…今までは数日に一回、二人で山に登り、先程の手順で彷徨える魂を破壊する。そんな同じ行為をずっと繰り返してきました。
一度山の頂に立つのは、ただ単純に見晴らしがよく、ルビィが力を使う際、都合が良いらしいからです
28:名無しNIPPER
2018/08/16(木) 23:52:06.82 ID:jOKdSO7D0
死後の世界には何が広がっているのでしょうか?私には分かりません
楽園でしょうか、地獄でしょうか?私には、分かりません
29:名無しNIPPER
2018/08/16(木) 23:52:35.43 ID:jOKdSO7D0
ダイヤ「最近……山へと出る頻度が多くなっているのは…分かっているわよね?」
ルビィ「うん、前までは一週間に一回くらいだったのに…ここのところにはずっと毎日だよね…」
ダイヤ「そうね、ここの所ずっと現世で彷徨う霊の数が増えている…それも、二倍や三倍なんて比じゃない量で」
30:名無しNIPPER
2018/08/16(木) 23:53:18.84 ID:jOKdSO7D0
ルビィ「……正直苦しいけど、今はまだ大丈夫……でも、今のペースで続けてたらいつかは……」
ダイヤ「そう……」
ダイヤ「確かに私も少々力を使う度に疲労を感じるけど……私の能力より、何万もの魂を吊り上げるルビィの力の方が、遥かに体力を使う…そうよね…?」
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