智絵里「うさぎさんにチョップしたらタイムスリップしてしまいました」
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9: ◆vNoifR2vNc[saga]
2018/08/15(水) 11:50:24.40 ID:2c4OR7u90


智絵里「……そうだよ。今まで会ってなかったみたいだけど……。……でも、今はわたしも来たばかりで、何もわからなくて」

美柑「……。そう……なの?」


美柑ちゃんは、きょとんとした瞳でこちらを見ています。


智絵里「……うん。だから、美柑ちゃん……わたしと、お友達になってくれる?」

美柑「……いいよ!智絵里ちゃん、わたしでよかったら……なんでもきいて!」


わたしが、笑顔で右手を差し出すと……少し間を置いた後、美柑ちゃんは嬉しそうに笑って、わたしの手を取ってくれました。

久しぶりに触れた、人の……美柑ちゃんの手は、不思議なくらい、暖かく感じられて。


――こういう時、美柑ちゃん<わたし>は、ただ寂しくて――


頭によぎった感情につき動かされるように、わたしは、美柑ちゃんの小さな体をぎゅっと抱きしめていました。


美柑「智絵里ちゃん……?ないて、るの……?」


美柑ちゃんは、心配そうな声で話しかけてきます。

――気づいたら、わたしの頬には涙が伝っていました。


智絵里「え……へへ、ごめん、ね……」


やっとの思いでそれだけを返すと、美柑ちゃんはわたしの頭をなでてくれました。


美柑「智絵里ちゃん……あのね、わたしもよく泣いちゃうけど、お母さんがこうしてくれるんだよ」

智絵里「……そう、なんだね。わたしも、うれしいよ……」


子どものころのわたしに、美柑ちゃんは似ていると思ったけれど。

――そこは、わたしの娘――愛里って名前の――が、しっかりやってくれているみたい、で。

わたしはしばらくの間、美柑ちゃんになでられながら、嬉しさと寂しさがないまぜになった涙を流していました。




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