89:名無しNIPPER
2018/08/12(日) 01:09:42.16 ID:w6V3e5/y0
どうして上手なのか。どうして慣れているのか。
きっと誰かに、何度もやってあげていたから。
何度も何度も、毎日寝る前や起きた時。鏡に向かってやってあげていたから。
気づいた時には、遅かった。
プロデューサーさんがすく手が、ゆっくりになっていき。
そしてプロデューサーさんの手が、止まった。
その片手は震え出し、鏡に映ったプロデューサーさんは、顔を俯け、ただ震えていた。こらえるように強く、強く。
私は、櫛を持ったプロデューサーさんの手を手繰り寄せると、肩の上に乗せ、自分の手を重ねた。
私の手が触れても、プロデューサーさんの手のこわばりはほどけることはなく、むしろ益々強く握りしめられていく。
全てを拒絶するかのように。
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