90:名無しNIPPER
2018/08/12(日) 01:10:22.31 ID:w6V3e5/y0
「私……行ってきますね」
プロデューサーさんの手をゆっくりと退かすと、私は出来るだけプロデューサーさんの方を見ないで扉の方へ向かった。
楽屋を出る直前、私は一度振り返った。プロデューサーさんは、地面に座り込み、小さなすすり泣きが聞こえてきた。
私は部屋を出て、お客さんたちの前に立つ前に、息をついた。
そして笑顔を作って、お客さんの前に出た。
会場を出るお客さんたちの一人一人と笑顔で握手を交わしながら。
心の隅では、床に座り込んだプロデューサーさんが、すすり泣きを続けていた。
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