白菊ほたる「恨みます、プロデューサーさん」
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83:名無しNIPPER
2018/08/12(日) 01:01:10.98 ID:w6V3e5/y0

 
 レコーディングは進んで、イベントも告知されて。その宣伝にいろんな番組に出る機会があった。

 その中には、裕美ちゃんの番組も。

 裕美ちゃんの初めての冠ラジオ――番組内のミニコーナーだけど、初冠であることは間違いない――の栄えある初ゲストとして私が選ばれたのだった。


「改めて、おめでとう。ほたるちゃん」


 収録前の控室、裕美ちゃんの言葉に、私は笑みが浮かんだ。


「ありがとう。裕美ちゃんのお蔭だよ」

「そんな、私なにもしてないよ」

「裕美ちゃんがイベントの司会に選んでくれたから、今の私があるんだもん。だから、裕美ちゃんのお蔭だよ」

「そんな…ほたるちゃんが頑張ったからだよ」

「私だけじゃないよ、裕美ちゃんや千鶴ちゃん。それにやっぱりプロデューサーさんのお蔭」

「ほたるちゃん、変わったよね」

「そう……かな」

「うん……特にほたるちゃんとプロデューサーの関係。前よりすごく仲良くなってる」

「そうかな……そうだといいな」

「そうだよ、きっと」


 収録も無事に終わり、夕暮れの中、私とほたるちゃんは一緒に帰っていった。



「あーあ、ほたるちゃんのイベント。私も観たかったな」

「仕方ないよ、二人とも別のお仕事があるんでしょ?」


 私のCD発売記念イベントの日、裕美ちゃんと千鶴ちゃんはお菓子のプロモーションイベントの予定が入っていた。


「ほら、私の時はほたるちゃんが傍に居てくれたでしょ。それがすっごく心強くて、私もそうしたいって思ってたのに」

「大丈夫だよ、ずっとそばにいてくれてるもん」


 そういって、私は首からかけていたペンダントを持ちあげた。裕美ちゃんから貰ったペンダントは、いつも肌身離さず持っていた。


 なくすこともなく、ずっと。







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