65:名無しNIPPER
2018/08/12(日) 00:37:45.74 ID:w6V3e5/y0
明らかに怒りに満ちた表情。本人は意識していないのかもしれないが。
「やあ、泰葉ちゃん」
そう言葉を投げかけると、プロデューサーさんは、私の手を掴むと、強引に袖まで引きずっていく。
「ど、どうしたんですかプロデューサーさん」
「ホテルに戻るぞ」
「でもまだ」
「初めてだったろ。こんな大きな舞台。疲れてるだろ。休まなきゃ」
「だ、大丈夫ですから。まだ」
私は後ろを振り向くと、まだ舞台にいる裕美ちゃんが心配そうに視線を投げかけていた。
せっかくイベントが成功したのに。まだあそこに立っていたいのに。
「大丈夫じゃない。俺はお前のプロデューサーなんだから。お前を守らなきゃ」
嘘だ。その言葉に私は足を止めた。そのままプロデューサーさんの腕を振り払う。
驚いた様子で振り返ったプロデューサーさんに、私は言った。
「なんなんですか……散々素気なくして……」
こんなこと、言っちゃ駄目だ。そうだと思っても私は言葉を止められず、
「都合がいいときばかり……プロデューサーぶらないで……ください」
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