モバP「よっしゃ、暇だし自殺するか!」
1- 20
4: ◆V1gN/9sbLo
2018/08/06(月) 22:19:52.42 ID:seikrJsf0
美優「え……ちょ、ちょっと……え?」

美優「は……?」

 ――その場に立ち尽くす美優。やけに冷たい冷房が、彼女の焦燥をなんとか食い止めていた。
以下略 AAS



5: ◆V1gN/9sbLo
2018/08/06(月) 22:22:39.04 ID:seikrJsf0
 横たわるPに駆け寄る。体に触れる。
 寝ているフリだろうか――首にロープをかけて?
 触れた手がやけに冷たい気がする……きっと冷房が効きすぎているんだろう――首にロープをかけて?
 先ほどから呼吸音が聞こえない……浅い眠りだからだろうか、それともうつ伏せだからだろうか――首にロープをかけて?

以下略 AAS



6: ◆V1gN/9sbLo
2018/08/06(月) 22:26:43.43 ID:seikrJsf0
 いや、無論“そういうこと”ではある。P自身の手の込んだドッキリの内容ではあるのだが――如何せん、手が込みすぎていた。
 やけに寒い部屋。冷房をガンガン利かせた狭い室内――悪寒にも似た条件付けが彼女の動悸を促進する。倒れた椅子には片方の靴が乗っており、天井からぶら下がっているロープは僅かに揺れている。
 つまり、今まさに起きた出来事なのだという実感と、襲い来る非現実感の隙間で、美優の意識を完璧に奪い取っていた。

美優「……」
以下略 AAS



7: ◆V1gN/9sbLo
2018/08/06(月) 22:29:07.29 ID:seikrJsf0
美優「ぷ、Pさん……」

 かろうじて動いた舌を、強引に引っ張って動かす。
 ボイストレーニングと同じだ。何ら変わりはない。同じ要領、同じ行動。
 だというのに、美優の舌は動かなかった。
以下略 AAS



8: ◆V1gN/9sbLo
2018/08/06(月) 22:33:53.45 ID:seikrJsf0
美優「なんでですかっ!」

 溢れ出した感情は激流のように。
 漏れ出した激情は雪崩のように。
 美優の舌を動かした。
以下略 AAS



9: ◆V1gN/9sbLo
2018/08/06(月) 22:37:53.03 ID:seikrJsf0
美優「私がこんな性格だから? 貴方を失望させてしまいましたか? 私じゃダメだったんですか? 何か足りなかったんですか? 何があればよかったんですか? 何が貴方をそうさせてしまったんですか? 私の何が――私が……ダメだったんですね……」

P「……」

 ……流石にこの独白には、若干Pの内心にも申し訳なさを纏った罪悪感が出てきた。もっと泣き叫んだところで起き上がって「てへへー実は生きてたよん♪ ごめんね美優さん♪」とか言って許してもらう作戦を考えていたのだった。
以下略 AAS



10: ◆V1gN/9sbLo
2018/08/06(月) 22:41:09.11 ID:seikrJsf0
P(どっ……どうする俺!? なんていうか……後には引けない感じ! このままだと美優さん、何をしでかすかわかったもんじゃ……)

P(し……しかもやべぇ! まだ色々ギミックを用意したままだ! このまま俺がネタバラシしなかったら、美優さんは気付いてしまうんじゃないだろうか……そうなったら、マジでもうどうしようもなくやばいッ!)

美優「Pさんの……卓上……手紙……?」
以下略 AAS



11: ◆V1gN/9sbLo
2018/08/06(月) 22:43:56.38 ID:seikrJsf0
美優「読む……読みましょう……」

P「……み、みy」

美優「……」ナミダドバー
以下略 AAS



12: ◆V1gN/9sbLo
2018/08/06(月) 22:48:39.51 ID:seikrJsf0
 手紙を抱きかかえるようにして俯く。涙は下る。もう、他の人間は遺書を読むことは出来ないのではないだろうか……涙で滲んでしまって、文字が歪んでいる。
 けど、それでいいような気もした。
 Pさんは疲れていたのだろう。それが何かはわからない。けれど、何かに対して疲れを感じていたことは確かだ。それが自分かもしれないと思うと……美優は頬の熱を抑えられなかった。
 寒風を割いて涙が落ちる。跳ねる宝石のように煌めいて――砕けた。
 
以下略 AAS



13: ◆V1gN/9sbLo
2018/08/06(月) 22:49:38.58 ID:seikrJsf0
P「あの、すいません……」

美優「……はい?」

P「ごめんなさい。死んでません……」
以下略 AAS



14: ◆V1gN/9sbLo
2018/08/06(月) 22:52:14.78 ID:seikrJsf0
美優「だ、だって……体だって冷たくて……」

P「この部屋の冷房、20℃まで下がってますし服の中に保冷剤詰めてます……美優さんが触るであろう左手は重点的に冷たくしたんですけど、後から考えると天井のロープが揺れてるのに体が冷たいのは、時間のつじつまがあっていませんね……」

美優「い、遺書……」
以下略 AAS



70Res/24.94 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice