ダクネス「せ、せめて、胸を揉むとか……」カズマ「おかまいなく」
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5:名無しNIPPER[sage saga]
2018/07/25(水) 21:23:25.64 ID:HfQ+yNW40
ふと、カーテンを揺らすそよ風に乗って、カズマの匂いが鼻腔をついた。男の子の匂いだ。
その香りに、より一層胸が高鳴るのがわかる。

そこで不意に、やっぱり好きだと思った。
好きだなと思い、好きだと改めて実感する。
私は今、自分の好きな男を、抱いていた。

それを自覚すると、もうどうにもならなくて。
彼の背に手を回して、恐る恐る抱きしめた。
ゴツゴツと骨張っていて意外と筋肉質な感触。
冒険者となる前は、アクアと2人で肉体労働に勤しんで日銭を稼いでいたらしいので、その際に鍛えられたのだろうか。意外な一面だった。

ダクネス「これが、男の子か……」

思わず呟いて、自らの経験の少なさを恥じる。

実は私は、名門ダスティネス家の一人娘だ。
本名は、ダスティネス・フォード・ララティーナというのだが、この名前は好きではない。
無闇に権力を振りかざすつもりはないし、なによりララティーナの響きが自分には合わない。
可愛い名前と、可愛くない自分が一致しない。
だからもっぱらダクネスという偽名で通した。

そんなわけで、要するに私は貴族の娘であり。
同時に世間知らずな『箱入り娘』でもあった。
故に、これまで男の子と接する機会は少なく。
初めてと言ってもいいその感触に夢中だった。

ダクネス「……幸せとは、このことか」

このまま時が止まってしまえばいいと思った。


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