ダクネス「せ、せめて、胸を揉むとか……」カズマ「おかまいなく」
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名無しNIPPER
[sage saga]
2018/07/25(水) 21:20:42.09 ID:HfQ+yNW40
彼に抱かれながら、窓の外を眺める。
今日は晴天で、澄んだ青空が眩しい。
天空を舞う渡り鳥の群れが美しかった。
時間はゆっくりと流れて、ドキドキしている。
白状すると、私はカズマのことが好きだ。
しかし、その気持ちは封印している。
他にもこいつを好きな者がいるからだ。
それはよりにもよって、仲間のめぐみん。
爆裂魔法しか習得していない変わり者のアーク・ウィザードだが、小柄で顔立ちは可愛らしく、何より愛嬌があって魅力的な美少女だった。
それに比べて、私ときたら。
ダクネス「はあ……」
思わず、ため息が溢れた。
私はちっとも愛嬌がない。
おまけに背が高く、庇護欲も唆らない。
だからきっと、駄目なのだろう。
だからきっと、彼は何もしてくれないのだ。
ダクネス「可愛く、なりたいな……」
思わず呟いてから、しまったと我に返る。
油断した。聞かれてしまっただろうか。
もし聞かれていたら、絶対に馬鹿にされる。
もうひとりの仲間である宴会芸が得意なアーク・プリーストのアクアや、先程紹介しためぐみんにすぐさま言いふらされてしまうだろう。
ダクネス「い、今のは、その……」
なんとか誤魔化そうと必死に言い訳を考えていたのだが、どうやらその心配は杞憂だった。
ダクネス「なんだ、寝てしまったのか」
すやすやと、規則正しい彼の寝息が聞こえて。
どっと、疲れた。緊張した私が馬鹿みたいだ。
こっちはこんなにも、ドキドキしているのに。
やはり私には、魅力が全くないらしい。
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