117: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2018/07/17(火) 22:24:17.30 ID:MeNYOwih0
2017年11月28日。火曜日。
仮病がアンチョビにばれた。
アンチョビは初めどちゃくそに怒ったが、何か思うところがあったのか、ふいに表情を変えると「たまには休みもないとなあ」と呟いた。
118: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2018/07/17(火) 22:25:45.02 ID:MeNYOwih0
「今日は休み! 休みったら休みだ! 動画の撮影も編集も私一人でできる! 戸庭はゲームでもして遊んでると良いぞ!」
「アンチョビさん、動画の編集したことないじゃん」
「ふふん、私を誰だと思ってるんだ!?」
119: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2018/07/17(火) 22:27:46.45 ID:MeNYOwih0
「む、むぅ〜。も、もうちょっとで終わるはずなんだが」
「いや見た感じ1ミリも進んでないし。俺がやりますよ」
半ば無理矢理にPCの前を奪うと、まずは撮影した動画をチェックする。
120: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2018/07/17(火) 22:30:32.09 ID:MeNYOwih0
2017年11月29日。水曜日。
通勤電車のなか、終始、俺は憂鬱だった。
俺の不在によりどれだけスケジュールに遅れが出ているのかという不安と、今日からまた地獄が始まるのかという暗澹。
新宿に着いた辺りでようやく覚悟が決まったというのに、オフィスに入ってその覚悟も霧散した。
121: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2018/07/17(火) 22:36:39.95 ID:MeNYOwih0
2017年11月30日。木曜日。
新宿に泊まると出勤が楽で良いなあ、あっはっは。
というわけで、昨日投稿されたアンチョビの動画や、ツイッターのリプライおよびメーラーを確認。すぐに出社となった。
122: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2018/07/17(火) 22:38:14.96 ID:MeNYOwih0
しばらく湯船につかって風呂を出る。
アンチョビの煎れたエスプレッソを飲みながらメーラーを確認していると、あるメールの差出人に目を疑った。
宛先は、アンチョビのアカウントのプロフ欄に載せているアドレスだ。
123: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2018/07/17(火) 22:42:17.96 ID:MeNYOwih0
2017年12月1日。金曜日。
「このメール送ってくるってことは、たぶん『冬季無限軌道杯』って単語が最終章のネタバレになってるんだろうな」
「ネタバレ? なんのだ?」
124: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2018/07/17(火) 22:44:04.07 ID:MeNYOwih0
……あ、そうだ。
「アンチョビさん、冬季無限軌道杯について、他に知ってることある?」
「もちろんあるぞ。アンツィオも出場したからな。……まぁウチは今回も悲願の2回戦突破は果たせなかったのだが」
125: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2018/07/17(火) 22:46:15.04 ID:MeNYOwih0
『正直に申し上げて、貴女が作品内のアンチョビと同一人物であるという話は信用していません』
『しかし、記載いただいた情報がこちらの承知している情報と概ね一致していることも事実です』
『なにか事情があるのではないかと推察いたします』
『つきましては、一度、直接お話をうかがいたいのですが、ご都合いかがでしょうか(とはいえこちらの予定を鑑みると、12月10日以降とさせていただきたく)。』
126: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2018/07/17(火) 22:49:17.69 ID:MeNYOwih0
『では、一旦、12月10日とさせていただけますか。予定が変わったらまたご連絡します』
『それと、アンチョビというキャラクターを使うことには目を瞑りますが、未公開の情報を漏らすのは今後やめていただくようお願いします』
『了解です。それでは12月10日によろしくお願いします!』
127: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2018/07/17(火) 22:51:13.82 ID:MeNYOwih0
「とはいえ、これで質問に答える動画は終わりかな」
「ん? ユーチューバーをやめるのか?」
「いやぁせっかくここまできたんだし、それもどうだろう。制作陣以外からの情報も欲しいしね。しばらく普通のユーチューバーみたいにゲーム実況とかしてみようか」
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