9:名無しNIPPER[sage saga]
2018/07/14(土) 17:48:36.88 ID:TXxgAIfuO
「よし。こんなものでしょ」
手にしていた雑巾をバケツに放り込んで、セイラムが言いました。隣の掃き出し窓を同じように拭いていた私は、まだ半分ほどが終わったところです。
私は彼女が担当した窓の、桟のあたりを指さしました。
「ちゃんと隅まで拭いてください」
「ええ? 姑みたいなこと言わないでよ」
「きちんとしませんか」
寒空の下でしたので、口を尖らせる彼女の気持ちはよくわかりました。とはいえ場合が場合です。
「明日は、聖誕祭なんですから」
「……はぁい」
渋めの返事とともに、セイラムはふたたび雑巾に手を伸ばしました。――表情はやはり、依然嫌そうなままでしたけれど。
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