8:名無しNIPPER[sage saga]
2018/07/14(土) 17:47:26.89 ID:TXxgAIfuO
私は日本の兵庫にある活動修道会で、修道女としての日々を過ごしていました。
そう大きくはない教会が拠点でした。規模もそれに準じます。神父様に、シスター・セイラムを含めて修道女が三人と、聖歌隊の子供たちがいくらか。そこに私を加えた二十にも満たない頭数のコミュニティ。
正規の誓願を受け入れてもらえる――つまり正式に修道女となれるのは十八歳からと教会法で定められているため、当時その要件を満たせていなかった私の身分には、いまだ括弧書きで見習いという文言が付いていました。
共同生活と規律に整頓された日常はやや窮屈ではありましたが、決して不満の鬱積するようなものではなく、慎ましやかだとしても、それを厭う気持ちはカケラさえもありはしませんでした。
もともと聖歌隊にいた私は、ほとんど自然な流れのように修道に身を寄せました。主よりたまわった生をひとのために使えるなら、それはなんと幸せなことか。セイラムをはじめとした修道女のみなさんと接するうち、私はいつしかそう考えるようになっていたのです。
73Res/52.75 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20