57:名無しNIPPER[sage saga]
2018/07/14(土) 18:26:40.61 ID:TXxgAIfuO
ふと、その私の頭上に影が差しました。
「――どうして悲しげなの?」
不意のことでしたが、質問が私に向いていることは明らかでした。表情をあらためて、私は目に入った黒革のパンプスにこたえます。
「……あら、 見られてしまいましたね。子供たちに悲しい思いをさせてしまっているのが心苦しくて、つい」
「へえ。悲しい思い?」
「はい。彼らは聖歌隊の子供たちです。私は教会のシスターなのですが、仕える教会が財政難に陥っていまいまして。現在、教会は使用できない状態なのです。聖歌の練習はもちろん、神に祈りを捧げることも叶わず……このままでは建物を売り払うしか道はありません」
「それは……大変ね」
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