12: ◆8PvrU9Ob/.[saga]
2018/07/09(月) 07:00:55.95 ID:ApRGfkc30
村人A「あの壁を越えてきたかと思ったら、作物の一部と娘を奪って逃げて行ったんです!」
姫騎士「そいつらはどこへ?」
村人A「動向を探っていた猟師は、南の森に走っていくのが見えたと言ってただ。姫様、どうか娘を助けてくれねぇべか!?」
姫騎士「わかりました! 私に任せて頂戴!」
村人A「どうかおねげぇします!」(どうかお願いします!)
訛りがきついためいまいち姫には通じていなかったが、魔物を倒せるという高揚感にうち震えていたのでした。
それから南の森へ行くと、うっそうと茂った木々が邪魔してゴブリンの姿など見えません。
姫騎士「ここで探すのは至難ね。従者!」
従者「はい、ここに。ゴブリンの所在ですね?」
姫騎士「そうよ。一刻も早く助け出さなくちゃ!」
従者「了解いたしました。やれやれ、人使いの荒い姫様だ」
いつもの憎まれ口をたたいて従者は森の奥に消えていきました。
索敵スキル全般を所持している従者は、こういったときに頼りになる存在でした。
従者「いました。ここから奥に進んだ先に洞窟があり、そこを根城にしているようです」
姫騎士「いきなり現れるのはびっくりするからやめて。よし、突撃よ!」
姫騎士が号令を出し、近衛兵が続き、洞窟の中へ進んでいきました。
従者は自分の出る幕はないと判断して、洞窟の入り口で待機しているのでした。
従者「さらわれた少女は慰み者になっていたようですが、姫様はあれを見てどう思いますかね…」
姫騎士の身よりも心を案じながら、従者は洞窟から響く魔物の悲鳴に嫌悪感を抱き佇むのでした。
30Res/27.76 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20