【ミリマス】紗代子は最高の瞬間を掴まえたい
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25: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2018/07/07(土) 16:26:12.06 ID:LgMjPCNT0

『正気じゃないな』男装の真ちゃんが切り捨てる。

相手を蔑むように見つめながら、
彼女はそれがどれほど馬鹿げた計画なのかを淡々とした口調で指摘する。

『壁を削るには大変な労力が必要になる。それにアレがどれほどの厚みを持つかも知れていない。
記録によれば大昔に一度、街ぐるみで横穴を掘ったそうだけども』

『知っています。昼夜休まず掘り進めて一か月。
どこまで行っても果てはなく、結局は諦めて引き返してしまったそうですね』

『ならばなぜ馬鹿げたことをしようとする? 大の大人数十人がかかってそれだ。
君のような小娘一人の細腕で、アレを穿つだなんて夢追い事だと分かるだろう!』

けれどもだ。シャベルの少女は凛と背筋を伸ばしたまま、
麗人の視線を撥ね退けるようにして言い切った。

『できます! なぜなら私には夢がある。追うべき夢と街一番の掘削の腕がある。
例え住人の全てに反対されようとも、私は私の夢を追い、あの壁に大穴を空けて見せる!』

『だったらもう君を止めなどしない、勝手にしろっ! だがな、ボクは言っておくぞ。
あの壁の向こうには夢でなく、厳しい現実が待ってるだけかもしれないと』

二人の間に火花が散る。
麗人が『絶望だよ!』と一言吐き捨て舞台の袖へと去っていく。

劇の前半はそれで終わり、私たちはただただ食い入るように画面を見つめていた。


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