藤原肇「外は雨の、こんな時」
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15: ◆kBqQfBrAQE[saga]
2018/07/04(水) 22:20:41.16 ID:/XOMflwr0


・・・・・・


以下略 AAS



16: ◆kBqQfBrAQE[saga]
2018/07/04(水) 22:21:29.31 ID:/XOMflwr0



 雨は嫌いではありません。さっきのように、雨の音を聴きながら外を眺めるというのも、趣があって私は好きです。だからといって、こんな本降りの雨の中を好きこのんで出歩くなんてことは流石にありません。さらにはこの後もっと強く降るというのに、わざわざ外に出るなんて酔狂なことです。せっかくのお召し物も台無しになるかもしれないのだから。

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17: ◆kBqQfBrAQE[saga]
2018/07/04(水) 22:22:50.87 ID:/XOMflwr0


 やっぱり、私、貴方のことが好きなんだろうな。だから私は会いに行くのです。

 心なしか、胸の中を覆う雲が薄れるような心地がしました。
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18: ◆kBqQfBrAQE[saga]
2018/07/04(水) 22:24:00.09 ID:/XOMflwr0


 突然、私が事務所にやって来たら、びっくりするでしょうね。でも、理由を聞かれたら、何と答えよう。「部屋で過ごしてたけど暇になってしまって」というのは何だか味気ないでしょうか。いっそ、正直に「貴方に会いたくなりました」と言うのも……。これはちょっと恥ずかしいかな。


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19: ◆kBqQfBrAQE[saga]
2018/07/04(水) 22:24:42.58 ID:/XOMflwr0


 事務所のある建物に入ると雨音は小さくなりましたが、よく見るとスカートの裾や上着の袖口が湿っていました。雨は強かったけれど、風が無かったためか、ひどく濡れるということはありませんでした。ほっと一安心です。服の色濃くなった部分を、持って来たタオルで丁寧にふき取ります。そして、髪の毛も少し乱れていたので、手鏡を見ながら整えます。……よし。準備万端です。
 
 この扉の向こうに、あの人がいる。急く気持ちが抑えられず、私は躊躇うことなくドアノブを回しました。
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20: ◆kBqQfBrAQE[saga]
2018/07/04(水) 22:25:39.34 ID:/XOMflwr0


 事務所に入ると、ほとんど人が出払っていました。いつもは賑やかなのに、アイドル達のかしましいお喋りも聞こえません。彼のデスクの方を見遣ると、彼の姿もありません。出かけている? そんなことはありません。昨日、彼は「一日中事務所かなぁ」と今日の予定を言っていたのだから。


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21: ◆kBqQfBrAQE[saga]
2018/07/04(水) 22:26:39.44 ID:/XOMflwr0


「あら、肇ちゃん?」

 ちひろさんがデスクから声をかけてきました。
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22: ◆kBqQfBrAQE[saga]
2018/07/04(水) 22:28:37.35 ID:/XOMflwr0



「今日はオフだっただろ? 肇、何かあったのか?」

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23: ◆kBqQfBrAQE[saga]
2018/07/04(水) 22:29:13.72 ID:/XOMflwr0



 止めどなく湧き出る言葉の中から浮かび出た言葉は、私の気持ちを最も詰め込んだものでした。

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24: ◆kBqQfBrAQE[saga]
2018/07/04(水) 22:29:46.64 ID:/XOMflwr0


 私の言葉にさぞかしビックリしたのでしょう、彼は陶器のように固まってしまいました。ちひろさん、そんな「わお」って茶化すような顔をしないでください。とんでもないことを言ってしまった私だけれど、不思議と落ち着いていました。ここへ向かう時には、恥ずかしくて言えないと思っていたのですが。
陶器から生身に戻った彼は、少し恥ずかしそうに答えました。

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25: ◆kBqQfBrAQE[saga]
2018/07/04(水) 22:30:47.34 ID:/XOMflwr0


 ちひろさんが、ソファでお話したらどうかと、私と彼に提案しました。

「Pさん、お仕事は大丈夫ですか?」
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