【シュタインズ・ゲート】岡部「このラボメンバッチを授ける!」真帆「え、いらない」
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510: ◆A81ULt4CV6[sage saga]
2018/07/29(日) 03:17:07.35 ID:EQtXuMvN0
「何か、探していたのか?」

「いや、そういう分けでは……」

 単刀直入に問うた俺の言葉に、紅莉栖が瞳をブレさせながら言葉を濁す。

「相変わらず、嘘がヘタだな。何か欲しいものがあるなら、直接言えばよかろう」

「別に欲しい物があるとか……」

 やはり、歯切れが悪い。明らかに、何かを隠していそうではある。だが、あえてその事に対して、追求はしようとは思わなかった。
 下手に追求なぞした日には、頑固な紅莉栖を相手に、無意味な押し問答に発展しかねない。

『正直、それに時間を割いている場面ではないからな』

 そんな事を考えながら、俺は昨日、ラジカンの屋上で固めた決意を呼び起こす。

『これから俺は、紅莉栖に全てを伝える。その上で、紅莉栖の帰国を阻止せねばならん』

 それこそが、現状における、最重要項目であった。

 再発したリーディングシュタイナーの事。
 ロシア国籍を取得した、中鉢の事。
 得体の知れない世界線の行く末。

 頭を席撒く疑問は、腐るほどある。だがしかし、今、俺にとって最も優先されるべきは、俺の元から離れていこうとしている、牧瀬紅莉栖の事なのだ。

『それ以外の事は、とりあえず後回しだ』

 頭の中で燻る幾つもの疑念を振り払い、俺はソファから立ち上がる。

「よく来たな紅莉栖。では、約束どおり──」

 俺の言いかけた言葉の先を察知したのか、紅莉栖が開いた手のひらを俺に突き出し、続けるはずの言葉に待ったをかけた。

「ごめん、岡部。その話はまた今度」

 紅莉栖の言葉に、俺の眉が微かに上がる。

「また今度ってお前……今日、帰ると言っていたではないか?」

「ええと、その件に関してなんだけど……とりあえず、保留になった」

 その言葉の意味に戸惑う。

「保留?」

「そう、保留。まだしばらくは、帰らない。だから、その話はまた改めてと思うんだが……ダメか?」

「いや、別にダメという事はないが……」



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