【シュタインズ・ゲート】岡部「このラボメンバッチを授ける!」真帆「え、いらない」
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511: ◆A81ULt4CV6[sage saga]
2018/07/29(日) 03:17:52.66 ID:EQtXuMvN0
 状況把握が追いつかず、俺の言葉まで歯切れが悪くなる。

 母親との約束だからと、けじめをつけなければと、引き止められたら困ると、そう言った昨日の紅莉栖。俺はその言葉に、強い決意を感じていた。
 だからこそ、それを引きとめようとする俺も、強い決意で紅莉栖に立ち向かおうとしていた。
 だというのに──

『紅莉栖に、何があった?』

 わずか一日の間に、あまりにも大きく反転した、紅莉栖の決意。それが何を示しているのか、俺には想像もつかなかった。

 とは言うものの、紅莉栖が今しばらく、日本に留まるという事実に、少しばかり心が浮つく。

「では、後どれくらい日本にいられるんだ?」

「どうだろう。ハッキリとは分からないけど、多分、十日くらいは……」

『多分……?』

 やはり、どこかいつもの紅莉栖らしくない。短い会話のやり取りだが、何となくそう感じ、浮き上がりかけていた心が、再び地に足を付ける。

『紅莉栖は、多分などという中途半端な表現を、あまり好まないと思っていたが』

 とは言え、紅莉栖の口からそう言った、曖昧さの残る言い回しを聞いた事が無いわけでもなく──

『単に、本当に日程が決まっていないだけ……だよな?』

 などと思うもものの──

 薄暗いラボの中を、明かりも付けずに何かを探していた紅莉栖。
 俺の声に驚いて振り向いた、狼狽の色を隠しきれていない紅莉栖。
 
 目の当たりにした、そんな紅莉栖の所作が、どうにも気に掛かった。

「どうした岡部。急に黙りこんだりして? さては、私の帰国が延びたことが、よほど嬉しいんだな。図星だろ?」

 どこかからかう様な紅莉栖の言葉。それに俺は、気も疎空に返す。

「ああ、そうだな」

「えっと……その解答は、その、ストレートすぎだろ。へ、変な風に勘違いしてしまう……」

 紅莉栖の言葉が耳を通り抜けていくが、いまいち頭に入ってこない。だがそれでも、とりあえず相槌だけは忘れない。

「ああ、別にそれで構わない」

「ふぇ? 岡部、それって、どういう……」

 昨日までの言い分をひるがえし、急遽、帰国を取りやめた紅莉栖。
 無理やりにでも推測を立てるのならば、紅莉栖の心変わりの原因。それは恐らく、昨夜、紅莉栖が俺との約束を反故にしてまで──

『ああ、そう言えば……』



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