【シュタインズ・ゲート】岡部「このラボメンバッチを授ける!」真帆「え、いらない」
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445:名無しNIPPER[sage saga]
2018/07/24(火) 23:53:53.23 ID:kVyODNzX0
『うお!?』

 俺の動揺が、狼狽にクラスチェンジを果たす。

 真っ赤であった。赤面などと、生易しいものではない。なんだかもう、今にも熱で顔面が融解してしまいそうなほどに、紅に染まりあがっていた。

 そして、俺の見ている前で、紅莉栖は口を動かし始める。微かに唇を震わせながら、途切れそうなほどか細い声で、言葉を紡ぎ始める。

「あんたの話の中に、岡部倫太郎の主観が……なかった」

「す、すまない。いまいち何を言っているのか、分からない」

 今にも爆発しそうなほどに染まりあがる紅莉栖。そんな彼女の言葉に対して、俺は正直な感想を告げる。

「分からないとか……言うな。汲み取れ……バカ」

「汲み取れと、言われましても」

「だから!」

 紅莉栖の語気が、一瞬強まる。が、次の瞬間には、また小さなさえずりに逆戻りし──

「あんたの心情とか……なんと言うか、そんな類のとこ……聞いてない」

 そう呟いた紅莉栖の瞳に、俺の心臓が高鳴る。
 顔を赤く染め、気恥ずかしそうに身体をもぞもぞと動かす、その姿。それを見て、紅莉栖につられるように、俺の顔まで赤面していくのが分かる。
 そんな俺の耳を、紅莉栖の声が小さく叩く。

「岡部……また世界線に挑んだんでしょ? ……何で?」

 照れ隠しのつもりで、俺は咄嗟に答える。

「何でと言われても、さっき説明したように、世界大戦の回避を……」

「うそ。それだけじゃない……よね?」

「いや、嘘と言われてもだな……」

「じゃあ……本当に、それだけ? それだけだったの?」

 紅莉栖の問いかけに、俺は言葉を詰まらせる。『それだけ』なわけなど、ない。だが──

「それは……」

 一度詰まった言葉は、なかなか吐き出されず、俺の尻切れトンボのような言葉が、蒸し暑いラボの中に溶けて消える。

 そして次の瞬間、真っ直ぐと俺に向けられた紅莉栖の瞳が、微かに潤み始める。そんな光景に、俺はたじろいでしまう。

「な、なにも泣く事は」

「まだ泣いてない!」



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