【シュタインズ・ゲート】岡部「このラボメンバッチを授ける!」真帆「え、いらない」
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427:名無しNIPPER[sage saga]
2018/07/23(月) 21:17:39.96 ID:eCLY4xXr0
 紅莉栖の思い描いている、幸せな家族。そんな些細な幸せを、その華奢な手に握らせてやれればと、身の程もわきまえずにそんな事を考える。

 だからこそ──

「ともに青森へ、行くのだろう?」

 俺は、いつかの約束を口にする。と、紅莉栖が微かに唇を震わせた。

「あんな事があったのに……一緒に来てくれる……の?」

「ふん、勘違いするなよ。というか、むしろ貴様が拒否しようとも、俺一人でも行かねばなるまい」

 そう言葉にし、そして胸を張ってふんぞり返る。足を踏ん張り両手を開き、まとった白衣を盛大に羽ばたかせて声高に叫ぶ。

「この世に狂気のマッドサイエンティストは二人もいらぬ! 再びの直接対決を経て、どちらが真に狂気をつかさどる存在なのかを知らしめてやる!」

 少し恥ずかしかったが、それでも声を弱めることなく想いを口にする。

「そして、いつかあの男に、自分がただの中年オヤジであるという事を認識させてやろう! ああ楽しみだ! 自らの非力さに打ちひしがれて、ガックリと肩を落とした奴が、すごすごと妻や娘の下へと逃げ帰る様を見る事が、今から楽しみでしょうがないぞ! フゥーハハハッ!!!」

 声がかれんばかりに、高笑いを響かせる。そんな俺の姿に紅莉栖が小さく微笑んだ。

「それは……私も楽しみだ」

「ならば、貴様もついて来い。この鳳凰院凶真の実力を見せ付けてやろう。必ず……な」

「何がついて来いだ。立場が逆だろ……バカ」

 紅莉栖の瞳から涙が零れたように見えたのは──きっと気のせいだろう。

 牧瀬紅莉栖のたどり着く先に。この俺が導く彼女の未来に、涙など必要ない。だからきっと──



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