【シュタインズ・ゲート】岡部「このラボメンバッチを授ける!」真帆「え、いらない」
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426:名無しNIPPER[sage saga]
2018/07/23(月) 21:16:46.20 ID:eCLY4xXr0
「何がどうしてそうなるのよ……」

「どうしてもこうしてもあるか。俺と貴様を引き合わせたのは、他でもない貴様の父親ではないか」

「……え」

 紅莉栖の口から、小さな吐息が漏れる。

「まったく、これだからスイーツ(笑)は……。いいか? 確かに中鉢という男は、人として尊敬できるような人物などではない。しかしだ。だからこそ、俺と貴様は出会う事が出来た」

 俺は言う。

 あの最低最悪な一人の男が、悪の道をまっしぐらに駆け抜けたからこそ、俺たちの今があるのだと。

「あいつが貴様を刺す……などという暴挙にでなければ、最初のDメールも最初の世界線移動も起こりえなかった。娘に辛く当たっていなければ、貴様が日本へ来る事もなかったかもしれない。仮に訪れる機会があったとしても、きっと俺達が出会う事などなかっただろう。違うか?」

「……それは」

「もしも貴様の父親が、聖人君子のような人間であったなら、俺とお前は今でも見ず知らずの他人同士。ならば、尊敬こそできないとしても、少しくらいは感謝してやってもいいのではないか?」

 まくし立てるような俺の言葉に、紅莉栖は相変わらずキョトンとした表情を浮かべていた。

 正直に言えば、俺はあの男の事が、大嫌いである。自分の娘を手にかけようとし、割って入った俺のどてっぱらに、風穴を開けた。そんな男を、どうして許す事ができよう?
 だがしかし──

『それでも、紅莉栖の父親なのだ』

 そんな男と和解がしたいと、涙を流していた紅莉栖を知っている。
 そのために、一緒に青森へ来て欲しいと告げられた、紅莉栖の切ない願いを覚えている。

 出来ることなら、彼女の抱いた小さな願いを、いつかかなえさせてやりたいと、そう思う。



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