自衛艦隊これくしょん3―おおすみ、出航します!―
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29:名無しNIPPER[saga]
2018/06/30(土) 00:44:56.71 ID:y+HZEnIj0
とわだ「ただね、岸壁が被災して使えなかったから、私は沖合に停泊して、物資を渡すことになったのよ。ちまちま、ちまちまね。後で阪基の掃海艇の子たちが必死で岸壁を調査して、何とか接岸できるようになったけど」
とわだ「でももし、あそこに大きな港がなかったら? 海自の基地がなかったら? 港湾の被害がもっと大きかったら? 私たちの活動はもっと遅れていたでしょうね。そうなれば、被害はもっと……」
30:名無しNIPPER[saga]
2018/06/30(土) 00:46:08.31 ID:y+HZEnIj0
LCAC達なら、岸壁があろうとなかろうと、物資や人員を揚陸できます。私はヘリコプターも使えます。車両も戦車も運べます。そして病院船としての機能も整備されています。
とわだ「だから、みんなあんたに期待してる。あの時私たちにできなかったことを、あんたなら出来るって思ってるから。そして私は、どうしてもイライラしちゃうんだよ。何をいまさら、とか。もっとしっかりしろ、とか」
おおすみ「とわださん……」
31:名無しNIPPER[saga]
2018/06/30(土) 00:47:02.52 ID:y+HZEnIj0
おおすみ「だから私に、指導をつけて下さりませんか?」
とわだ「……は? なんで?」
32:名無しNIPPER[saga]
2018/06/30(土) 00:49:07.12 ID:y+HZEnIj0
とわださんの訓練ははっきり言って過酷でした。
とわだ「あんたは輸送艦のわりに速度が速いから、もっと落ち着きなさい。急ぐのと慌てるのは違うんだからね」
33:名無しNIPPER[saga]
2018/06/30(土) 00:50:59.42 ID:y+HZEnIj0
こうして必死に食らいついているうちに、1年が経ちました。
それは、間もなく秋になろうかと言う日のことでした。
34:名無しNIPPER[saga]
2018/06/30(土) 00:52:02.43 ID:y+HZEnIj0
『続いてのニュースです。トルコ北西部で現地時間8月17日に発生した地震で甚大な被害を出したイスタンブール近郊のイズミットでは……』
『政府はトルコ政府に対し、国際緊急……』
35:名無しNIPPER[saga]
2018/06/30(土) 00:53:24.66 ID:y+HZEnIj0
総監室に入ると、すでにぶんごが待っていました。総監の横には、秘書艦のひえいさんもいます。
ぶんごは私と同期に当たる、うらが型掃海母艦の2番艦です。ベリーショートが特徴的で、ぱっちりとした目と、筋の通った鼻筋は、美人を通り越してかっこいいと形容すべきでしょう。まるで外国人のモデルみたいです。容姿だけなら。
36:名無しNIPPER[saga]
2018/06/30(土) 00:56:48.29 ID:y+HZEnIj0
自衛隊の海外派遣は、ほんの10年ほど前までは厳に慎まれていたことでした。ですが湾岸戦争の結果、具体的な国際貢献を諸外国から求められたため容認されたという事情があります。そして事情が事情なので、根強い反対論も今だくすぶっています。
おおすみ「私たちが、トルコに物資を輸送するということですか?」
37:名無しNIPPER[saga]
2018/06/30(土) 00:57:48.18 ID:y+HZEnIj0
総監「今回の任務では、その特色と日程から、エジプトのアレクサンドリアまで補給を行わずに行くことになる。海自でも前例のない航海だが……、ペルシャ湾にも行った、とわだ型補給艦の『ときわ』が同行する。経験も豊富で頼りになるだろう」
ぶんご「この日程では、20日以上無寄港で航海することになるね。さすがに無茶じゃないかい?」
38:名無しNIPPER[saga]
2018/06/30(土) 00:58:50.94 ID:y+HZEnIj0
〜〜〜〜
ひえい「ですが……、前代未聞の任務もあったもんですねぇ。それも新型輸送艦のおおすみに行かせるなんて。スタビライザーがないと、安定した外洋航行も難しいのに」
39:名無しNIPPER[sage]
2018/06/30(土) 01:11:19.72 ID:y+HZEnIj0
続きは明日上げます。
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