11: ◆jZl6E5/9IU[sage saga]
2018/06/28(木) 00:35:46.22 ID:84l1pjji0
コウイチ「……こだわってない、って言うと、ちょっとだけ嘘かもね」
アヤメ「そうなの?」
コウイチ「僕の使ってるガンプラ、知ってるよね?」
12: ◆jZl6E5/9IU[sage saga]
2018/06/28(木) 00:39:31.33 ID:84l1pjji0
コウイチ「ツカサと話してから、少しだけ思ったんだ。もしかしたら、僕も間違えたら、ツカサみたいにブレイクデカールを広めていたかもしれない。そうしたら、僕も色んな人たちを苦しませたのかもしれないって」
アヤメ「でも、あなたはそんなことしてないわ」
コウイチ「うん。だから、仮定の話だよ。ツカサの気持ち、僕には分からないわけじゃないんだ。…皆いなくなって、置いていかれたから」
13: ◆jZl6E5/9IU[sage saga]
2018/06/28(木) 00:43:13.69 ID:84l1pjji0
コウイチ「そう、だね。皆、ガンプラバトルが、大好きなんだ。GBNもGPDも、関係なく。……だけど、ツカサは、過去にこだわって、今も戦おうとしてる」
アヤメ「……彼は、私と同じなのかもしれないわ。私も、昔のことにこだわって、ずっと戦ってきた」
コウイチ「そこが、僕とツカサの違うところなんだ。…僕は一度逃げ出した。諦めた。忘れてしまえ、って」
14: ◆jZl6E5/9IU[sage saga]
2018/06/28(木) 00:44:58.03 ID:84l1pjji0
アヤメ「……諦めたのは、昔のあなたでしょう」
コウイチ「え?」
アヤメ「今のあなたは、ここに――GBNにいる。大好きなガンプラバトルをしたいから。GPDのことを受け入れて、新しく出発してる。そうでしょう?」
15: ◆jZl6E5/9IU[sage saga]
2018/06/28(木) 00:51:31.16 ID:84l1pjji0
アヤメ「あなたは?」
コウイチ「……楽しいよ。ここには、たくさんの人たちがいて、皆、ガンプラバトルが大好きなんだ。かつての、僕やツカサみたいに」
アヤメ「そう…。それなら、その気持ちを教えてあげればいいんじゃないかしら」
16: ◆jZl6E5/9IU[sage saga]
2018/06/28(木) 00:59:28.83 ID:84l1pjji0
コウイチ「……ツカサは、ガンプラが大好きだった。たくさんの思い出を、GPDで僕や仲間と一緒に作ってきた。だからこそ、前に進めない。過去に立ち止まってる」
コウイチ「きっと、怖いんだ。過去のことがなんでもなかったことみたいになって。イヤなんだ。大好きだと思ったことが、消えてしまうことが。僕も、そうだったから」
アヤメ「コウイチ……」
17: ◆jZl6E5/9IU[sage saga]
2018/06/28(木) 01:12:05.54 ID:84l1pjji0
アヤメ「……それでも、止まってくれなかったら?」
コウイチ「……あいつが止まってくれなかったら、このガルバルディと――思い出のガンプラと一緒にあいつを、うん、僕はツカサを助けたい。友達だから」
コウイチ「きっと、そうするべきなんだ。あいつの気持ちが一番分かってやれるのは、僕なんだから。…何で、こんな簡単なことに、僕は気付けなかったんだろう。ありがとう、アヤメくん」
18: ◆jZl6E5/9IU[sage saga]
2018/06/28(木) 01:15:22.26 ID:84l1pjji0
コウイチ「うん、ありがとう、アヤメくん」
アヤメ「お礼なんていいわ。あなたたち、ビルドダイバーズの仲間たちには、たくさん助けられたから。今度は私が助けたいの」
コウイチ「そっか。それなら、頼りにさせてもらうよ。仲間として」
19: ◆jZl6E5/9IU[sage saga]
2018/06/28(木) 01:16:19.14 ID:84l1pjji0
アヤメ「……そうしようとは思ってるの。ただ…」
コウイチ「ただ?」
アヤメ「どんな顔して、なんて言って会いに行けばいいのか、分からなくて。皆には助けてもらったし、迷惑もかけたし…」
20: ◆jZl6E5/9IU[sage saga]
2018/06/28(木) 01:18:03.47 ID:84l1pjji0
アヤメ「……そうね。私、仲間ってものがどういうものか、忘れていたみたい」
コウイチ「大丈夫だよ。これから、また思い出せるんだから」
アヤメ「ええ。そうよね、その通りだわ。……私、明日、フォースに戻る」
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