19: ◆u2ReYOnfZaUs
2018/06/22(金) 21:58:42.45 ID:wWXdAL2J0
「私のプロデューサーさんは?」
ろくな挨拶もせずに、私は常務に尋ねた。
常務は表情をかえずに、背筋が凍るような、ひややかな声で言った。
20: ◆u2ReYOnfZaUs
2018/06/22(金) 22:29:58.20 ID:wWXdAL2J0
「彼は辞表を提出しこのプロダクションを去った。
新しいプロデューサーは、プロジェクト加入が正式に決まり次第通知する」
「辞表? ユニット?
なんのことだか……」
21: ◆u2ReYOnfZaUs[sage]
2018/06/22(金) 22:42:18.91 ID:wWXdAL2J0
常務はただ淡々と、事実を突きつけてくる。だから否定もできないし、反論もできない。
それでも私は反撃がしたくて、言い返した。
「私は、常務のつくるユニットには参加しません」
22: ◆u2ReYOnfZaUs[sage]
2018/06/22(金) 23:16:46.11 ID:wWXdAL2J0
私は、頭を深く下げて部屋から出た。
常務に屈服したわけじゃない。自分の幼稚さに、頭が重くなった。
傷つけるためだけの信頼。甘えるためだけの冗談。
私はプロデューサーさんが私のことを真剣に考えてくれるように仕向けたけれど、彼の心を真剣に考えたりしなかった。
23: ◆u2ReYOnfZaUs[sage]
2018/06/22(金) 23:31:06.86 ID:wWXdAL2J0
私はもう一度頭を下げて、常務のプロジェクトに参加した。
日本で……世界で一番のアイドルになるために。
そしたらきっと、エンドロールに名前を書いてもらえる。
私の名前が、彼の隣に。
24: ◆u2ReYOnfZaUs[sage]
2018/06/22(金) 23:31:37.62 ID:wWXdAL2J0
おしまい
25:名無しNIPPER[sage]
2018/06/23(土) 00:54:47.54 ID:0uDSOG7SO
>>17-19
?
26:名無しNIPPER[sage]
2018/06/23(土) 01:54:07.04 ID:Gmx5KTTDO
なんだこのオチ…
27:名無しNIPPER
2018/06/23(土) 10:40:29.22 ID:Baarl6gv0
こういうの割と好き
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