22: ◆DAC.3Z2hLk[saga]
2018/05/12(土) 01:59:16.47 ID:aw+Q2owr0
「そうねぇ。家族が一番大事だわ」
「はいですー」
「だけどライラちゃんは、私みたいな他人にも親切なのね。私達はあなたに冷たくしたのに……」
23: ◆DAC.3Z2hLk[saga]
2018/05/12(土) 02:02:20.88 ID:aw+Q2owr0
「――そうそう。あのアパートはずいぶん昔からあってねぇ。
長いこと色んな子が下宿してたんだけど、十年ばかし前だったかねぇ――」
24: ◆DAC.3Z2hLk[saga]
2018/05/12(土) 02:03:35.23 ID:aw+Q2owr0
〇
泣き声は、夜毎に強く、近くなっているようでございます。
25: ◆DAC.3Z2hLk[saga]
2018/05/12(土) 02:05:10.19 ID:aw+Q2owr0
〇
アルバイトの募集をしている場所はいくつかあるのですが、条件が合致しません。
26: ◆DAC.3Z2hLk[saga]
2018/05/12(土) 02:06:26.10 ID:aw+Q2owr0
「あー……どこから言やいいのか」
彼はどこかばつが悪そうに頭を掻き、思い切ったように腰をくの字に曲げました。
27: ◆DAC.3Z2hLk[saga]
2018/05/12(土) 02:07:38.48 ID:aw+Q2owr0
お弁当。
お肉、お魚、お野菜、お茶。
どこもささやかなお店でございますから、人を雇うには及びません。
28: ◆DAC.3Z2hLk[saga]
2018/05/12(土) 02:08:43.16 ID:aw+Q2owr0
不動産屋「ああ、いたいた、お姉さん!」
ライラ「……? おうち屋さん、でございますか?」
29: ◆DAC.3Z2hLk[saga]
2018/05/12(土) 02:09:42.61 ID:aw+Q2owr0
「どうして?」
30: ◆DAC.3Z2hLk[saga]
2018/05/12(土) 02:11:34.31 ID:aw+Q2owr0
ぱち、と夜遅くに目を覚まします。
耳元でどなたかが、何か囁いた気がしたのです。
31: ◆DAC.3Z2hLk[saga]
2018/05/12(土) 02:13:47.85 ID:aw+Q2owr0
「ああライラちゃん、おはよう!」
「おはようございますですよー」
「ごめんねぇ手伝わせちゃって」
32: ◆DAC.3Z2hLk[saga]
2018/05/12(土) 02:14:41.81 ID:aw+Q2owr0
カラスさんがカァカァ鳴く時間。傾いたようなアパートは静まり返っておりました。
キィキィ軋む床板を踏み、がたつく扉に鍵を差し込んで、古畳の香る四畳半へ入ります。
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