88: ◆CItYBDS.l2[saga]
2018/08/28(火) 22:59:41.94 ID:3l3UqrgJ0
「あちゃー、距離が遠すぎて、ナイフの軌道を読まれちゃってる!」
「不意をつけないか!?」
「後ろから狙えっての!?馬鹿言わないで!『真理』は額、つまりゴーレムの正面にあるのよ!」
なるほど。確かにその通りだ。背後から、額の上を狙うなどできるはずもない。
だが、やりようはある。
「数秒でいい、奴の足を止めてくれ!」
「氷結魔法フリーズ!」
返事をすることなく、遊び人は行動に移る。
即断即決、やはり彼女は強い。相当な修練、もしくは戦闘の経験を積んでいるのだろう。
そして何より、俺の事をパーティーの仲間として信頼してくれているのだ。
ゴーレムの足が、たちまち凍り付き動きが止まる。
俺は、遊び人の魔法とほぼ同時にゴーレムの背後へと回り込んでいた。
「来い!遊び人!」
片膝をつき、両手を空へと向けて組む。
俺の意図を察した、遊び人がゴーレムを迂回しその俊足をもって駆けてくる。
彼女の足が止まる気配はない、全速力で向かってくる。
いまだ!
「いっけええええええええええ!」
遊び人の右足を組んだ両手で支え、彼女を天高く放りあげた。
俺の鼻先を、彼女の体がかすめた。
「あーっ!いま、おっぱいに触った!!!」
彼女の声が、夜の町に響き渡った。
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