86: ◆CItYBDS.l2[saga]
2018/08/28(火) 22:58:47.48 ID:3l3UqrgJ0
光は、その奔流を止めることなくページからあふれ出ている。
家が、きしきしと音を鳴らしはじめる。その音は、次第に轟音となり地面を揺らし始めた。
俺は、慌てて外に出た。
「遊び人!離れろっ!」
「え?あ、うん!」
俺が、小屋から出ると同時にそいつは、あばら家の屋根を突き破り巨大な体躯を現した。
高さは小屋の倍ほど、月の光に照らされたそれは土色の肌をもち、巨大な手を月へと掲げ、咆哮をあげる。
「ぐおおおおおおおおおおおおおおおお」
その巨大さ最大を武器とする魔道兵器。
ゴーレムだ。
「うわあ、なにこのゴーレム!こんなにでかいのは初めて見たわ!」
遊び人が、緊張感の声をあげる。
「あの蝋燭の灯り自体が罠だったんだ!中には誰も居なかった」
「なるほどね!連絡員が一定期間来なかった場合に蝋燭が灯り、侵入者を誘い込むよう仕組んであったわけね」
ゴーレムが巨大な手を、地面に叩きつけると、まだ辛うじて残っていた小屋の柱が全て砕け散った。
俺は、飛んでくる木材の破片を、両腕で防ぎながらゴーレムの足元へと迫る。
腰に下げた剣を一閃。ゴーレムの足へと刃を滑らせる。
粘土のような手ごたえ、確かに俺の刃は奴の膝から下を切り離したが、切り離した先から順に繋がり、何事も無かったようにくっついてしまった。
「土のゴーレムだ!斬撃は効かない!」
「そんなの、見りゃわかるわよ!氷結魔法フリーズ!」
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