遊び人♀「おい勇者、どこ触ってんだ///」
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85: ◆CItYBDS.l2[saga]
2018/08/28(火) 22:58:17.71 ID:3l3UqrgJ0


――――――


扉から、小屋の中の気配を探る。
絹のこすれる音、床がきしむ音、息遣い、何者かが潜んでいれば必ず発生するであろう事象を全神経を研ぎ澄ませ耳をたてる。
俺の全感覚が、小屋の中には誰もいないことを告げていた。もう既に、逃げたのだろうか?

あばら家には扉の向かいに小さな小窓があった。
そこは既に遊び人が回り込んでおり、仮に何者かが潜んでいたとしても、取り逃がすことはないだろう。

俺は、扉を蹴飛ばし中に押し入った。
机の上に置かれた、蝋燭の火がまるで驚いた童のように体を揺らした。
―――中には誰も居なかった。

警戒を怠らないで、部屋の中を探る。
あるのは質素なベッドと、机のみ。

机の上には、羽ペンと1冊の本。


「ちょっと拝見させてもらうよ」


不在の小屋の中で、誰に許可をとるでもなく俺はページを開く。


突然、光が俺を襲った。
光は、開いた本のページから放たれている。


「罠か……っ!?」


手のひらで、光を遮り目を凝らす。
光っているのは、ページに記載された多数のルーン文字と共につづられた円形の図面。
これは、召喚術の魔法陣だ。


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