遊び人♀「おい勇者、どこ触ってんだ///」
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196:今日はここまでです ◆CItYBDS.l2[saga]
2019/05/08(水) 19:46:20.63 ID:uG8tzRkA0

「少なくとも、幹部級がいるとのことじゃ」


「なぜ、そのような情報をお持ちであったのに、もっと早く知らせていただけなかったのですか!?」

 
 俺の怒りの乗った言葉に、司教には一切悪びれる様子がない。それどころか、口をとがらせて口笛を吹く素振りまで見せている。


「儂が知っている勇者は、戒律どころか法律にも雁字搦めにしばられた男じゃった。そんな男に、こんな俗的な話を聞かせたら、逆に儂を鞭で叩きかねんかったからな。それどころか怒り狂って大聖堂内で綱紀粛正を叫びかねん」


「では、なぜその情報を伝える気になられたのですか?」


「お主が、ワインを所望したからの」


 ワイン……?


「おや、数多の酒場で既に経験済みかと思っておったが……知らなんだか」


「酒場では、素面の男は信用されんのじゃぞ?」


 この狸親父め、教会のことを酒場と宣いやがった。俺は、呆れながらも、かつて恐怖におののいた目の前の男に僅かながらの親近感を覚えていた。 

 しかし、参ったものだ。

 司教の様子を見るに、この国で一番の教会内部は拝金主義に目覚め、だいぶ腐りきっているようだ。しかし、なに。腐ることは何も悪いことだけじゃないさ。だって、彼女の愛した教会のワイン。ワインとて、ブドウが腐ったおかげで生まれたものなのだから。 


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