遊び人♀「おい勇者、どこ触ってんだ///」
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174: ◆CItYBDS.l2[saga]
2019/05/03(金) 16:29:32.55 ID:KfriHW7I0
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なんとか『千鳥足テレポートが成功しない』を解決したかと思えば、今度は『千鳥足テレポートの期間術式が発動しない』だ。
問題が発生したら、むやみやたらに試行錯誤を繰り返すよりも、まずは状況を整理する。一見遠回りに見えるが、これが一番いいことは既に経験済みだ。

そもそも、千鳥足テレポートとは、二つのテレポートによって構成されている。

まず1つ目のテレポート、これが成功すると、テレポートの行使者は酒のある屋内へとランダムテレポートする。
ただし、そのランダム性には行使者の嗜好、望む場所が影響を与える。
俺が、初めて飛んだのは、ラムランナーの秘密倉庫。
そして先日は、炎魔将軍の便……いや、思い出すのはよしておこう。
まあ、あそこは魔王軍の幹部の隠れ家だ、おそらく相当な量の酒をため込んでいたに違いない。

そして2つ目が帰還術式によるテレポートだ。
一つ目のテレポートが成功したにしろ、失敗したにしろに関わらず、テレポート先で手を二回叩くことで元の場所へと戻される。
そう言えば、ラムランナーの秘密倉庫から帰還した際は、俺はいつの間にか宿屋のベッドの中にいた。
初めての飲酒で、酔いが回っていたのだろう。
そして、炎魔将軍の下からは元居た酒場へと戻された。

今回は、この2つ目のテレポートに何らかの不具合が生じているのだろう。


「なあ、キミと俺が初めて出会った日のことなんだが。あの日、俺を宿屋のベッドに放り込んでくれたのはキミか?」


「……ちがうわよ。あのときはたしか、アタシはもといた酒場にもどされたけど。キミの姿は見えなかった」


「つまり、俺は宿屋のベッドに直接送り返されたということか?」


遊び人が、顎に手をあて黙り込む。


「そういえば、あんまり考えたことがなかったけど……アタシも、ベッドに直接飛ばされたことが何度かある」
「ヨっぱらって宿屋にかえった記憶がないだけかと思ってたけど、イマ思えばあれは転送先がベッドの中だったとしか思えない」


なるほど、確かに一人で千鳥足テレポートを使っていれば考えもしないことだろう。
なぜならば、この魔法の行使者はみな等しく酔っぱらっている状態だ。多少の記憶の祖語は、酔っぱらっていたで説明がついてしまう。
今回、俺たちがこの疑問にたどり着けたのは、俺たちが二人でこの魔法を使っていたからだ。

考えれば考えるほど妙ちくりんな魔法だ。千鳥足テレポートの行使者の状態によって、帰還先が変化するなんて、いったい何の意味があるというのだ。
だがしかし、どうやらこの辺りの条件付けに、問題が潜んでいそうな気がする。


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