遊び人♀「おい勇者、どこ触ってんだ///」
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147: ◆CItYBDS.l2[saga]
2019/03/27(水) 20:22:40.86 ID:DIeGWH8y0

「もしかして、千鳥足テレポートを作った大賢者って」


「大賢者だなどと恥ずかしいですが……」


酒好きここに極まれりといったところか。
こんなヘンテコな魔法を作ったやつは、相当な変わり者だろうと踏んでいたが。
酒を求めて異世界を渡り、あまつさえ自分の店を開いてしまうほどの遊び人だとは思いもしなかった。

肩から力が抜けていく。
マスターの言には嘘偽りがあるようには思えない。
少なくとも、俺が勇者として葬り去らなければならない類の者ではないはずだ。

だがしかし、新しい魔法を作り出せるほどの大賢者であり、さらには名門の戦士の家系という事実が。
俺の勇者的直観が、ある結論を導き出していた。
ならば、俺は職責を全うしなくてはならない。確かめなくてはならない。


「マスター、あなたは魔王の……」


「父親です」


やはりそうだ。マスターは現魔王の父親、すなわち先代の魔王だったのだ。
というか、魔王にそっくりな時点でその可能性をまず追うべきだったのだろう。
どうも俺のポンコツ加減に磨きがかかっている。原因は、もちろん酒と……女……つまるところ遊び人にあるのだろう。

だが堕落に甘んじているわけにはいかない、俺は自身に気合を入れなおすために剣の柄に手を触れる。
抜くつもりはない。あくまで俺が何者であり、何を求めて旅をしているのかを思い出すための所作にすぎない。
遊び人がチラリとこちらに目を向けている。


「ここの酒は息子。つまり魔王から直接仕入れているんじゃないのか?」


仕事モードに入ったためか、自然と口調が強く問い詰める形になった。


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