遊び人♀「おい勇者、どこ触ってんだ///」
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148:今日はここまでです。 ◆CItYBDS.l2[saga]
2019/03/27(水) 20:23:40.53 ID:DIeGWH8y0


「まさか、我が不肖の息子が卸す酒はこの棚に並べられた素晴らしき酒たちとは比べ物になりません」
「ここにある酒は、すべて異世界より持ってきたものです」


「では、魔王の行方は」


「全く存じ上げません」


マスターの目をじっと見つめる。
魔族特有の、マンハッタンのように赤い瞳は、静かにだが強く輝いている。

剣の柄から手を離す。やはり、そこには嘘はないと判断したからだ。
人目をはばからず、息をふーっと吐き出す。
限りなく僅かと言えど、先代魔王と一戦交える可能性すらあったのだ無理もないだろう。
それに、カクテルの味を知ってしまった身としてマスターに剣をかけずにいられてホッとしたことも大きい。


「くだらない質問はおわった?」


遊び人からの棘のある質問が届いた。
こっちは、どこかの誰かとは違い真剣なのだと少しムッとしてしまう。


「くだらなくはない。酒場で情報を聞いて何が悪い」


「馬鹿ね、酒場は魔王を探しに行く場所じゃないわ」


さんざん、一緒に千鳥足テレポートで魔王を探してきたというのに何を言っているんだ。


「じゃあ、なんだと言うのだ」


「お待たせいたしました。マティーニです」
「割り入って恐縮ですが勇者様、酒場は酒を楽しむところですよ」


なるほど、マスターが言うと説得力がある。
ならばしかたない。


「マスター。もう一杯頼む」


夜はまだまだ終わりそうにない。


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