13: ◆CItYBDS.l2[saga]
2018/05/25(金) 20:03:53.22 ID:WlRcDlsl0
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枕が固い、宿屋の外では冬眠から覚めたカエルがゲコゲコ鳴いている
過ごしやすい季節になってきたと人々は言うが、俺にはそうは思えない
ブランケットを羽織れば汗がにじみ、無ければ何と無しに心もとない
春は、そういう中途半端な季節だ
それならいっそ寒いほうがましだ
日は沈み、すっかり夜更け
俺は、早々に宿屋のベッドに横になるがどうにも眠りにつくことができないでいた
だがそれは、今日に限ったことではない
どういうわけだろうか、眠ろうと床についた途端に俺の思考はぐるぐると回り出す
得体のしれない恐怖感が、俺に思考を止めることを許さないのだ
魔王を倒しきれなかった、あの日からそれはずっと続いていた
だが不眠との戦いも半年を過ぎれば、慣れたものだ
俺が見つけた最善手、「眠れないのであれば、眠らなければいい」
無理に寝ようとするからいけないのだ、そんな時は自然に眠くなるまで時間を使うのが一番
そんなわけで、俺は日課に取り掛かる
ブーツの紐を結び、剣を腰にぶら下げる
そしてそれを隠すようにクロークを纏う、さあ準備は万端だ
仕事に取り掛かろうじゃないか
向かうは酒場
アウトロー達が集う、イリーガルなフィールドだ
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