藤丸立香「あなたたち、どうせ死んでたんだから」
↓ 1- 覧 板 20
1:名無しNIPPER
2018/05/05(土) 23:31:50.11 ID:099CA5/+O
彼女の目の前で、少女が血を流して倒れている。
暖かそうなコートに身を包んだ彼女が、氷の棘に身を貫かれて。真っ赤な血を流している。
「マシュ」と彼女は呟いた。
とっさに出た一言に、けれど少女は反応を返せない。
返るはずもない。
最早彼女は死に絶えている。
生命活動は停止し、その魂は消失した。
繋ぎ止めた命は完全に潰え、その笑顔が彼女に向けられることは二度となくなった。
──それが、最後だった。
彼女の、藤丸立香の、ではなく。
この大地に生きる、全ての命の最後だった。
異聞帯という潰えた世界全てが、本当の意味で終わりを迎える始まりの瞬間だった。
SSWiki : ss.vip2ch.com
2:名無しNIPPER
2018/05/05(土) 23:33:32.46 ID:099CA5/+O
「……ゴル、ゴーン」
彼女のそばにあった機械が駆動を始める。
立香のか細い魔翌力回路が悲鳴をあげ、命をすり減らして魔翌力を生み出す。
3:名無しNIPPER[saga]
2018/05/05(土) 23:35:12.31 ID:099CA5/+O
「溶かして。魔力がいるの。貴女の宝具なら、この大地の命すべて、溶かして魔力に変えられるでしょう」
その淡々とした言葉に、ゴルゴーンは笑みを浮かべる前に冷や汗をかきそうになる。
これは、一足とびに踏み抜けてしまったものだ。
復讐ではない。いや、あるいは復讐の側面もあるのかもしれないが、ともかく一番大きな感情はそれではない。
4:名無しNIPPER[saga]
2018/05/05(土) 23:37:13.36 ID:099CA5/+O
すさまじい量の魔力が集積され、それはゴルゴーンの蛇が立香に噛みつくことで彼女へと返還されていく。
その魔力量はサーヴァントをいくら呼んでも呼び足りないほど。不完全なヤガという獣がいきるのに必要なエネルギーを賄えている今のロシアは、魔力の宝物庫に等しい。
「なんて、ことを……!ヤガどころか、木々も、魔獣も、なにもかも溶かしてるのか!こんなことを、よくも……!」
「え?だって、あなたたちもやったでしょう?」
14Res/11.55 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20