藤丸立香「あなたたち、どうせ死んでたんだから」
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4:名無しNIPPER[saga]
2018/05/05(土) 23:37:13.36 ID:099CA5/+O
すさまじい量の魔力が集積され、それはゴルゴーンの蛇が立香に噛みつくことで彼女へと返還されていく。
その魔力量はサーヴァントをいくら呼んでも呼び足りないほど。不完全なヤガという獣がいきるのに必要なエネルギーを賄えている今のロシアは、魔力の宝物庫に等しい。
「なんて、ことを……!ヤガどころか、木々も、魔獣も、なにもかも溶かしてるのか!こんなことを、よくも……!」
「え?だって、あなたたちもやったでしょう?」
歯噛みする男を、立香は不思議そうに見つめ、
「カルデアの人たちを殺したでしょう」
微笑んだ。
「普通に生きていた人たちを殺したでしょう」
微笑んでいる。
「私の友達を殺したでしょう」
微笑んでいる。
「私の家族だって、あの神様とやらに殺されたんでしょう?」
微笑んでいる。
微笑んでいる。笑みが崩れない。仮面のような笑みがじっと男を、カドックをせせら笑う。
「無為に、無駄に、ごみ掃除でもするみたいに。舞台を箒ではいて清めるみたいにして」
魔力がバチバチと彼女の皮膚から弾けて飛ぶ。血が流れても、立香は笑みを崩さない。
「だから同じことをするの。もちろん無駄になんて使わない、この魔力でまずはこの異聞帯を消滅させる」
淡々と、彼女はこれからの予定を諳じる。
カルデア唯一のマスターは、最早ヒトの軛を越えようとしていた。
しかし、これは憎しみによるものではない。
彼女は「世界を救おうとしている」のだから。
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