65: ◆ikbHUwR.fw[saga]
2018/05/23(水) 17:46:46.39 ID:XzeV2oVA0
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レッスン開始時刻になり、トレーナーさんが入ってきて、雑談は終了となった。
この合同レッスンの担当になったトレーナーさんは、青木聖さんだ。
「時間は少ない。ビシビシ行くから覚悟しておけ」
聖さんは私たちを見回して言った。
私は周子さんが予定していた曲をそのまま引き継ぐ形となった。本番では、私、志希さん、夕美さんの順でステージに上がる。それぞれの単独での出番のあと、アンコール分として全員で3曲を披露する。つまり私は時間を空けて2回ステージに上がることになる。
準備運動を兼ねた軽いダンスのあと、ひとりずつレッスンをすることになった。残りの2人は休憩を兼ねた見学ということらしい。
「白菊はいきなりだと緊張するだろうから、あとにして、先に先輩ふたりにお手本を見せてもらおうか」
聖さんが言う。緊張していたのはたしかだったので、ありがたいと思った。
「まず一ノ瀬から」
「はーい」
私と夕美さんが壁際に移動して腰を下ろす。
私は少しわくわくしていた。志希さんと夕美さんの歌は、一般販売されているCDでは聴いているけど、生の歌やダンスは見たことはなかったからだ。
「ほたるちゃん、すごい真剣だね」
くすっと夕美さんが笑う。
「はい、見るのも勉強ですから……」
「うーん……でも」
夕美さんが困ったように苦笑する。
「志希ちゃんは、参考にはならないと思うよ」
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