152: ◆ikbHUwR.fw[saga]
2018/06/28(木) 01:00:27.08 ID:sg2qAd8w0
2日後の15時ちょうど、同じ喫茶店を訪れた。
彼女は先に店に入っていて、チーズケーキをつつきながら紅茶をすすっていた。俺は席にはつかず、彼女の前に立って、テーブルの上に一通の封筒を置いた。
「これは?」と怪訝そうに問う彼女に、「紹介状」と答える。
「紹介?」
「先方も喜んでるよ」
彼女が封筒を開き、睨みつけるように書面に目を通す。
「……騙したんですか?」
「嘘はついていない」
中身は本物の紹介状だし、相手にも話は通してある。紹介先が346プロではないというだけだ。大きいところではないが、少なくとも現在所属しているところよりはよほどまともであることは間違いない。
伝票を取り、背中に罵声を浴びながらレジに向かう。
店を出た頃には彼女の顔も、名前も忘れていた。
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