白菊ほたる『災いの子』
1- 20
100: ◆ikbHUwR.fw[saga]
2018/06/02(土) 10:41:34.93 ID:Y+SAhLWq0
「でしょ」

 夕美さんが嬉しそうに言う。

「今、ほたるちゃん笑ってたよ」

 私は、はっとして自分の頬をぐにぐにと触った。

「……自分じゃ、わかりません」

「だよね」と夕美さんがほほ笑んだ。

「もうひとくち食べる?」

 私はこくこくとうなずく。食い意地が張っていると思われてしまう恥ずかしさよりも、さっきの味をもういちど味わいたいという欲が勝っていた。
 それから何回か『あーん』を繰り返し、結局3枚のうち1枚は私が食べてしまった。

「ところでほたるちゃん、お花は好き?」

 お皿とカップを空にしたところで、夕美さんが言った。

「好きです」と私は答えた。

 お会計は夕美さんが持ってくれた。
 私は「夕美さんの頼んだパンケーキまでかなり食べておいて、そんなわけにはいかない」と固辞したけど、夕美さんの「お姉さんぶりたいから」というセリフに返す言葉が見つからず、結局押し切られてしまった。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
202Res/248.44 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice