61:名無しNIPPER[saga]
2018/04/29(日) 17:51:15.85 ID:A6rjc17z0
「いえ」
ほたるちゃんは、優しく首を振ります。
「美優さんの気持ち、伝わります。
私も……トップアイドルを目指すと言いながら、臆病になりっぱなしでした」
気づくと、ほたるちゃんが手を伸ばし、引いた私の手にそっと添えました。
「ほ、ほたるちゃん……」
「美優さんになら、私、甘える事が、できるような気がします。
色々と、私の不幸のために、ご迷惑をおかけするかと思いますが…」
「ううん!」
ギュッと、ほたるちゃんの手を握り返し、首を振ります。
「むしろ、共有させてほしいんです。ほたるちゃんの不幸を。
二人なら、辛いのも苦しいのも、きっと半分で済むでしょう?」
「そ……」
自分の不幸が周囲にまで及ぶ事を恐れる彼女には、酷な言い方だったかも知れません。
ですが――そんなのやっぱり、間違いなんです。
「自慢じゃないですが……冴えない出来事との縁の深さなら、私もそう負けてはいませんから」
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