197:名無しNIPPER[saga]
2018/04/30(月) 02:08:49.63 ID:LS54PsoZ0
「ウソ……」
見間違いだと信じたい。
実際、この位置からでは、彼女の靴紐なんてほんの点のようにしか見えません。
ですが、嫌な予感が胸の中で膨れあがるのを、私は抑えることが出来なくなっています。
「や、やめて……」
この後、最大の見せ場であり難所である、大振りのステップとターンがあります。
そうです、忘れる事なんてできません――私があの日靴紐を切ったのも、このパートだったんです。
神様、どうかやめてください。
ようやく彼女は飛べるんです。光を手にすることが出来るんです。
何でもかんでも、どうか不幸を押しつけないで。
これ以上、彼女から何もかもを奪わないで――!
――〜〜〜ッ♪ 〜〜〜!♪
ボルテージが極限まで高められ、いよいよサビへと入っていきます。
満面の笑顔で、ほたるちゃんは元気よく足を振り上げ、ステージを強く踏みつけました。
――ブチッ。
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