189:名無しNIPPER[saga]
2018/04/30(月) 01:47:41.37 ID:LS54PsoZ0
「白菊ほたるさん、そろそろご準備の方よろしいでしょうかー!?」
スタッフさんがこちらに駆け寄って来ました。
いよいよ、その時です。
「はい」
ほたるちゃんは、しっかりとした声でそれに応え、ステージの方へ歩いて行き――。
階段の手前で、止まりました。
「美優さん」
クルッと、まるで舞うように振り返ったその表情は、眩しいほどの笑顔で――。
「先に行っています。どうか遅れないうちに、美優さんも来てくださいねっ」
そう言って、彼女は向き直り、ステージへと上がって行きました。
彼女は、まだ私を、アイドルとして――。
ううん、今は私の事なんてどうでも良いんです。
設置されていた照明が、暗転していた舞台の上をゆっくりと照らし出していきます。
そこに立つ一人の少女の姿を認めた観客達は、ようやく始まるお祭りの予感に、一斉に歓喜の声を上げました。
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