188:名無しNIPPER[saga]
2018/04/30(月) 01:45:05.08 ID:LS54PsoZ0
そっと、手を離します。
ほたるちゃんの白くて綺麗な首元――。
小さい銀のお花の上に、金色のテントウムシが、ちょこんと控えめに留まりました。
「わぁぁ」
彼女はそっと、大事そうにそれを両手の指でつついた後――目元を拭い、ニコリと笑ってくれました。
「ありがとうございます……こんなに素敵なプレゼント、初めてです」
こんな時でも、お世辞を忘れない辺り、気ぃ遣いのほたるちゃんらしいですね。ふふっ。
思わず、私も笑っていました。
「……そろそろ、時間だな」
事務員さんが、腕時計に目を落としました。
話によると、開催を1時間順延させた際、セットリストにも若干の変更があったようです。
天候がまだ回復せず、お客さんも集まりきらないであろう、最序盤――つまり、前座としての出場。
言い方を変えるなら、栄えあるトップバッターという大役です。
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