8:名無しNIPPER
2018/04/24(火) 20:47:20.53 ID:25rQ95o00
ほたるちゃん自身の了承を得るため、私は寮に行った。
ドアの外から声をかけても返事はなかった。ドアノブに手を掛けると、鍵はかかっていなかった。
「ほたるちゃん?」
彼女は電気もつけず、部屋の隅で体を丸めていた。私が明かりをつけると、小さな体をさらに小さく丸めた。
私は近づいて、ほたるちゃんのそばに屈んだ。
「ほたるちゃん、私と一緒に暮らしません?」
頭を上げたほたるちゃんの顔が、目の前に来た。痛々しい顔だった。余り眠れていないようだ。目にはクマが刻まれ、白い肌はさらに白くなっていた。
提案の意味が分からないように、ほたるちゃんは虚ろに見上げていた。
「きっと楽しいですよ、私と暮らすの」
「……でも」
「でも?」
ほたるちゃんは顔を俯け、怯える様に体を縮めた。
「ご迷惑をかけることになります」
「そんなことないです」
またゆっくりと顔を上げたほたるちゃんに私は微笑んだ。
「だって、私ですよ?」
ほたるちゃんの白い頬が、少し赤くなった。
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