38:名無しNIPPER
2018/04/24(火) 21:43:04.42 ID:25rQ95o00
さすがプロデューサーというか、悪運がある。
私は電話を続けているプロデューサーを一瞥してから、友紀ちゃんの後に続いて自販機にむかった。ここの自販機は、くじはついていなかった。
(それとも、運がよかったのは私の方かしら?)
並ぶ商品に目をむけながら、考え直す。
仮に突き落とす瞬間を目撃されれば、いくら私でも言い逃れはできない。
突き落とす直前に友紀ちゃんが来てくれたから、私は犯人にはならず、犯人として目撃もされなかった。
「茄子ちゃん、大丈夫?」
選びかねている私に、不意に友紀ちゃんが聞いてきた。
「なにがですか」
「なんか最近、ちょっと元気ないから」
「そんなことないですよー、私はいつも通りですから」
ほら、と胸元で両手をグッと握って見せた。しかし友紀ちゃんは、疑いの眼差しをむけてきたまま。
「やっぱり、ほたるちゃんのせい?」
「どうしてですか。ほたるちゃんが元気になって嬉しいって話したばかりじゃないですか」
「そうなんだけど……」
難しそうな表情をしていた友紀ちゃんだけど、不意に表情が緩む。
「一緒に住んでたんだもん。いなくなれば寂しくなるでしょ?」
そうですね。と私は笑みを返した。
62Res/57.40 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20