37:名無しNIPPER
2018/04/24(火) 21:41:36.14 ID:25rQ95o00
私は息がとまりかけた。
手を引っ込めて振り返ると、友紀ちゃんが怪訝な表情を向けていた。
「なにしてるの?」
「ああ、いえ……」
「あれ、プロデューサー?」
友紀ちゃんがあたしの後ろにいる人物を覗き込むように伺った。
私が向き直ると、不思議そうなプロデューサーの顔が目の前にあった。
プロデューサーは電話口を手で押さえた。
「どうかしたか?」
「いえ……ちょっとスケジュールについて質問があったので」
「悪い、今はちょっと」
「そうですね。後でメッセージを送ります」
では、と私はまた頭を下げて、待っていた友紀ちゃんの元へ行った。
「友紀ちゃんは、どうしてここに?」
「あたしも急に飲み物を買いたくなってさ」
録音ブースから自販機の前に行くには、この階段の前を通り過ぎる。そこでたまたま見つけたということのようだ。
間が悪い。
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