4: ◆DAC.3Z2hLk[saga]
2018/04/20(金) 00:12:27.09 ID:Q3vY7Opm0
「寄せ書き?」
「そうなんですよっ。みんな元気にしてるかなぁ」
こっちはちーちゃんに、これはのんちゃん。この文字は吉っちで、こっちは成くん――
5: ◆DAC.3Z2hLk[saga]
2018/04/20(金) 00:13:14.46 ID:Q3vY7Opm0
「動物かな。イタチ? ……たぬき?」
「あ、そうじゃなくてですね。これは――」
そっか。プロデューサーさん知らないんだよね。
6: ◆DAC.3Z2hLk[saga]
2018/04/20(金) 00:14:46.73 ID:Q3vY7Opm0
引っ込み思案で控えめで、いつもお母さんの後ろに隠れているような子が私でした。
そんな様子が将棋の穴熊みたいだったから――って理由。
7: ◆DAC.3Z2hLk[saga]
2018/04/20(金) 00:15:34.56 ID:Q3vY7Opm0
そういえば、ちゃんと話したことなかったなぁ。
熊本にいた私のこと。
8: ◆DAC.3Z2hLk[saga]
2018/04/20(金) 00:16:10.04 ID:Q3vY7Opm0
〇
ご存知の通り小日向美穂は緊張しいです。
9: ◆DAC.3Z2hLk[saga]
2018/04/20(金) 00:18:21.72 ID:Q3vY7Opm0
「美穂ちゃんは恥ずかしがり屋さんやねぇ」
腰にしがみつく娘を撫でて、お母さんはそう言ったものです。
10: ◆DAC.3Z2hLk[saga]
2018/04/20(金) 00:19:08.06 ID:Q3vY7Opm0
とにかくそういう風にマイペースに生きてた私ですが、6歳の頃にちょっとした転機がありました。
幼稚園のお遊戯会で、劇をすることになったのです。
11: ◆DAC.3Z2hLk[saga]
2018/04/20(金) 00:20:38.79 ID:Q3vY7Opm0
私の数少ないお友達も、まだあんまりお互い知らない子もみんなぽかんとしていました。
当然です。ついさっきまで私は隅っこでもごもごやってるアホ毛のいきものだったんだから。
もちろん主役に名乗りを上げることは何も悪くないのですが……。
12: ◆DAC.3Z2hLk[saga]
2018/04/20(金) 00:21:07.69 ID:Q3vY7Opm0
「できるもん!」
13: ◆DAC.3Z2hLk[saga]
2018/04/20(金) 00:22:13.70 ID:Q3vY7Opm0
〇
あなぐま小日向は、たまに穴から出てくるっぽい。
14: ◆DAC.3Z2hLk[saga]
2018/04/20(金) 00:23:21.39 ID:Q3vY7Opm0
「おかあさん」
「なん、美穂ちゃん?」
「みほね、はずかしか」
「なんが?」
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