荒木比奈「ジャスト・リブ・モア」
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23: ◆U.8lOt6xMsuG[sage saga]
2018/04/09(月) 00:15:32.79 ID:BEFLqt5g0

それから私は、二人には話していない所まで彼にお話した。将来に対して抱えていた不安、夢がなかった事による焦燥、出会えてから見つかった目標。支離滅裂で、所々跳んじゃうけど、思いが止まらずあふれ出る。

「アイドルとして楽しい日々を送ることも出来て…だから…アタシ、Pさんには感謝しかないんスよ」

彼は、ずっと黙って聞いてくれた。

「強くなれたのはPさんのおかげっス」

あふれ出るものを、まとめてまとめて、言葉にして彼に伝えていく。夢をくれた人へ、感謝を届けていく。

「だから、本当に、ありがとうございまス」

自分の中にある言葉だけじゃ足りない気さえする。でも、今伝えられる分だけは、必死になって伝えた。

「……あの、なんか急に重い話をしてごめんなさい」

そうして我に返ったら、恥ずかしさと申し訳なさが襲ってきた。

『いいや』

私の話を聞いた彼が、閉じていた口を開いた。その口調は、やっぱり穏やかだった。

『…話してくれてありがとう』

「ああ、いや、こっちも聞いてもらえてありがたいっス…」

恥ずかしさはあるけれど、聞いてもらえたことは嬉しかった。自分の事を、もっと知ってもらえたような気がしたから。




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